栄養教諭食育研究会は、
栄養教諭が安全でおいしく魅力ある学校給食の「生きた教材」としての活用や
職務内容などに関する研究を実施することで、学校給食や学校での食育の効果を客観的に評価し、
学会等で広く発表することができるよう自らの資質を向上させ、
学校における食育を推進することを目的とした会です。
「児童生徒の栄養の指導及び管理をつかさどる職員」として平成16年度に栄養教諭制度が創設され、翌年より配置がスタートしました。その配置は義務的なものでなく、学校の設置者の判断に委ねられていることから、都道府県により温度差はあるものの、平成30年5月1日現在、全国で6,324名の栄養教諭が配置されています。その間、学校における食育推進のための法的整備がなされ、栄養教諭は食育の中心的役割を担い、学校現場で積極的に食育の推進に努めておりますが、配置から10年余りが過ぎた今、栄養教諭の存在意義を成果として示せていない現状があることは否めません。
今回の新学習指導要領の改訂では、「学校における食育の推進」は「体育科、家庭科及び特別活動の時間はもとより、各教科、道徳科、外国語活動及び総合的な学習の時間などにおいてもそれぞれの特質に応じて適切に行うよう努めること」と具体的に教科等が示され、学校教育活動全体を通じて指導することがより明確になりました。このことは、平成28年12月21日の中央教育審議会答申の中に、健康・安全・食に関する資質・能力として、栄養摂取の偏りや朝食欠食など食習慣の乱れ等に起因する肥満や生活習慣病、食物アレルギー等の健康課題にあわせ、食の安全性の確保や食料自給率向上、食品ロス削減などの食に関わる課題に対応するために、学校における食育を充実することが必要性であると示されたところです。生涯にわたって健康で安全な生活や健全な食生活を送るために必要な資質・能力を育むためには、栄養教諭の果たす役割はますます重要になってきているのです。
こうした中、栄養教諭が安全でおいしく魅力ある学校給食の「生きた教材」としての活用や職務内容などに関する研究を実施することで、学校給食や学校での食育の効果を客観的に評価し、学会等で広く発表することができるよう自らの資質を向上させ、学校における食育を推進することを目的に、栄養教諭食育研究会を平成28年9月1日に発足いたしました。会員は、栄養教諭、学校栄養職員、大学教授、自治体職員などで構成しています。都道府県の枠を越えて入会している会員同士が、共通の課題に向けた研究をしたり、地域ごとに研究グループを作り、これまでの献立や栄養摂取状況、食に関する指導、地場産物使用等の変容について統計解析を行い客観的に成果の検証をしています。さらに、各地域での先進的な取り組みの情報交換を行ったり、会員相互の資質を高め合うことができるような研修会や研究大会を開催しております。
この度、本会が行っている研究大会等の活動内容について、広く情報を公開したくホームページを開設することにいたしました。本会が取り組んでいる活動等に興味を持っていただければ幸いです。
栄養教諭食育研究会
代表幹事 金田 雅代